1.弾頭形状
サボットはプラスチックワッヅに包み込んで使用するため、ライフルドスラッグに比べ弾頭を小さくできます。

ライフルドスラッグは弾がそのまま、銃身内を通るため弾頭の大きさは銃口のサイズとほぼ一緒になる。12番だと18.7mm程度

また弾を中心に挟み込んで使用するためワッヅの形状を変えることで、理論的にはどのような形状の弾頭でも発射することが可能になります。

Remigton Copper Solid Sabot Remigton
Copper Solid Sabot Slug
Federal Barnes Sabot Federal
Premium Barnes Sabot Slug
バーンズ弾頭(国内) 国内で入手した
Barnes Sabot Slug

(EXPANDER SGS)
Federal Premium Sabot Slug Federal
Premium Sabot Slug
Lightfield Sabot Slug Lightfield Sabot Slug

上から2つのサボットは、銅を使用した弾頭で、銅弾サボット(バーンズ弾頭)と呼んでいますが非常に入手が難しく、現在日本の正規輸入代理店では取り扱っていないようです。
しかしながら現在、北海道の蝦夷鹿猟で鉛装弾規制の動きがあり、今後は徐々に銅弾に切り替わっていくものと思われます。

 

2.価格
サボット弾はライフルドスラグに比べて非常に優れており、1/2ライフリング付き散弾銃を用いて使用した場合、絶対的な優位性があります。
しかしながら一つだけ大きな欠点があります、それは非常に高価だと言うことです。通常のクレー射撃用実包であれば40円/1発でお釣りがきますが、サボット弾に至っては一番安いもので300円/1発以上、高いものでは1発900円なんて値段の弾も有ります。
これではサボット弾を使用して射撃を楽しむことすらできません。
そこで筆者はサボット弾を使用して安価で射撃を楽しむため、実包のハンドリロードを実施しております。
下記の写真は筆者が弾頭のキャステング(鉛のインゴットから弾頭を作る)からハンドリロードしたサボット弾の写真です。

自家製サボット弾

サボットを包み込むワッヅは市販のものを用いて、弾頭だけキャスティングし作成したものです。弾頭の形状も市販のLightfield Sabot Slugと似通っており、50mで4cm程度(5発)の集弾が可能です。

価格的にも1発当たり
弾頭(525gr 6円)+ワッヅ(8円)+雷管(15円)+火薬(30gr 40円)+薬莢(0円)=70円程度/1発で作成可能です。市販装弾の一番安いサボット弾が300円程度なのを考えるといかに安くできるかが判ります。

単位
   1gr(グレイン)=0.0648グラム
   1pound(ポンド)=453.59グラム

雷管と火薬は許可さえ受けていれば、銃砲店で入手できます。一般的には雷管は100単位で1500円、火薬は1/2ポンド(約227グラム)単位で4500円で入手できます。

弾頭の原料である鉛はスクラップ屋で安く入手します。スクラップ屋が近くに無い場合は釣り用の鉛で考えると2kg800円で釣具屋さんに売っていますのでこれを使用すると約14円/1発で程度になります。
弾頭がキャストできない場合でも、国内でブリネッキ弾頭のみを販売している銃砲店が有りますのでそれを利用することもできます。

ワッヅは市販されているものを利用しますが、一般的には売っていないため個人輸入で対応しています。(最近、国内の銃砲店で市販しているとの情報がありました)

薬莢は射撃場で拾ってきますので0円。

材料は以上でそろいますが、実際には鉛をキャストする道具やリロードするプレスが別に必要になります。

 

3.鉛装弾規制
3.1 鉛装弾規制の背景
現在北海道で鉛装弾規制の動きがあります。原因は鉛弾頭の残滓が射獲した獲物の中に残留しそれを放置するために、弾頭のかけらを誤食するオジロワシ・オオワシといった希少な猛禽類が鉛中毒で死ぬという報告が有るからです。

獲物の放置はハンターのモラルを問われる所では有りますが、行政が法規制の検討に入っており近いうちに北海道では鉛装弾が使用できなくなりそうです。(鉛弾頭の代用としては銅弾が考えられています)
とりあえずライフル弾の規制から始まると言うことですが、何れは散弾(スラッグ弾)にも適用されるのではないかと思います。

バーンズ弾頭(銅弾)の使用に関しては、鉛から銅に変わる事(比重が軽くなる)での命中精度の問題、弾頭が硬くなることによる着弾エネルギーとマッシュルーム化(殺傷力)の問題、価格の問題等まだまだ解決すべき問題点はありますが、一部のハンターでは自主的にバーンズ弾頭への切り替えをはじめており、個人的にも猟ではバーンズ弾頭を使用したいと思っています。
サボットの銅弾は現在のところレミントンのCopper Solid Sabot SlugとフェデラルのPremium Barnes Sabot Slugが有りますが、日本の正規輸入代理店が取り扱っていないため、この弾頭を使用するには弾頭だけ個人輸入しリロードするか、銃砲店が個別に並行輸入している装弾を使用するしかなさそうです。

 

3.2 バーンズ弾頭

日本でも散弾用のバーンズ弾頭(サボット)を購入することが可能になりました。購入先はこちら「(株」)ファーイーストガンセールス」です。購入の旨を連絡すれば対応していただけると思います。ただし弾頭だけなのでリロードが必要です。

私が購入した時は1400円/10ケ(税、送料別、専用ワッヅ込み)でした。知っている海外の販売店での現地価格がセールで同じものが$11程度なのでこれに、送料、関税、手数料等を考えれば、個人輸入するよりもはるかに安く日本で購入することが可能です。
自然環境の保護を考えられている方、新しいもの好きの方は是非お勧めです。遅かれ早かれ日本で鉛装弾の規制はかかります。その時に慌ててデータ出しをするよりか、時代を先取りするのも良いかも知れません。

入手バーンズ BARNES BULLEST
  10ケ入り

パッケージとしては
(1)弾頭
(2)クッションワッヅ
(3)プラワッヅ
(4)サボットワッヅ
の1弾頭4つのパーツが入っています。


弾頭重量: 1OZ

 

4.特殊弾頭

サボット弾も散弾銃という言葉からすると特殊な弾頭かもしれませんが、世の中にはもっと変わった散弾の弾頭があります。その一部を紹介します。
下記の弾頭はあくまでもその紹介です、日本で使用すると法律に触れる可能性があります。注意してください。
サボット弾

Sauvestreと言う、メーカのサボットです。

かなり細長い弾頭形状をしています。
DISTANCE DE REGLAGE OPTIMALE (D.R.O.) 96 metres

100mぐらいは十分に使えそうです。

ロケット弾 弾頭のお尻に飛行中に弾自身が回転するように角度の付いた羽がついた弾頭です。
bolo弾1 BOLOと呼ばれるものでワッズ内に2つの錘とその間にワイヤーが張られたものです。ワイヤーで殺傷します。
bolo弾2 上のはワイヤーですがこれは細い紐?のようなものでです。
フレシット弾

フレシット弾と呼ばれるものです。
矢のような細い槍が20本入っています。

矢自体は5.3Kmも飛ぶそうです。

POINT TARGET 75m
AREA TARGET 150m
MAX RANGE 300m

ベトナム戦争で使用されたそうです。

アロイド弾頭

ぱっと見た感じ普通のサボット弾に見えます。
しかし弾頭が普通の材質(鉛or銅)と違っており硬化させた特殊鋼が入っています。

そのためこの弾は貫通力を最優先にしたサボット弾です

曳航弾

トレーサー(曳航弾)

散弾銃にも曳航弾があります。
私の知り合いの話では、昔使っていたと言ってたので日本でも市販されていたみたいです。
クレー等の訓練に使われます。